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お正月に見た映画② 『劇場版 Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS』

お正月に見た映画の感想を書こうというやつ。
ふたつめは『劇場版 Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS』。2010年公開、制作はスタジオディーン


劇場版 Fate / Stay night UNLIMITED BLADE WORKS Blu-ray & DVD PV

2014年から2015年にかけてTVシリーズで再度アニメ化されました。こちらはufotable制作で全25話。

2014年10月放送テレビアニメ「Fate/stay night」(Unlimited Blade Works)PV

Fate/stay night [Unlimited Blade Works] / 2ndSeason PV第1弾

※がっつりネタバレです。

Fate/stay nightってなに?

2004年にTYPE-MOONタイプムーン)から発売されたPCゲームソフト。ジャンルは伝奇活劇ビジュアルノベル
手にすれば何でも願いが叶うと言われる「聖杯」を手にするため、魔術師が使い魔を召喚して「聖杯戦争」を行う、というストーリー。
18禁アダルトゲームでありながら、世界観や設定、重厚なシナリオに大きく重点がおかれている。
選択肢によって大きく3つのシナリオに分岐する。

  • Fate(セイバールート)

エロシーンがマイルドになった移植版、ファンディスク、外伝作品、アニメ化とどんどんメディアミックスされ爆発的人気に。
最近はスマホゲーム『Fate/Grand Order』がアツい。
※私は原作、FGOともに未プレイです。

用語

・聖杯
手にした者の願いを叶える存在。どんな姿形をしているかは不明。
これをめぐって血みどろの「聖杯戦争」が繰り広げられる。

・マスター
聖杯戦争の参加者。サーヴァントを召喚して契約する人で、だいたい魔術師。
サーヴァントに魔力を供給して現世にとどめたり、力を発揮させる役目がある。
ポケモンでいうとポケモントレーナー

・サーヴァント
マスターに召喚される聖杯戦争の駒。歴史の偉人や神話に登場する「英霊」。
基本的に以下7つのクラスに分けられる。
セイバー(剣士)、アーチャー(弓兵)、ランサー(槍使い)、ライダー(騎乗兵)、
キャスター(魔術師)、バーサーカー(狂戦士)、アサシン(暗殺者)。
聖杯戦争の便利システムによって日本語ペラペラ。
ポケモンでいうとポケモン

・宝具(ほうぐ)
サーヴァントを英霊たらしめている象徴。武器や特殊能力として表現される。
いわゆる必殺技や切り札。威力は絶大だが、むやみに使うとサーヴァントの正体がバレてしまう。

・真命(しんめい)
サーヴァントの英霊としての名前。本名。
バレると戦いで不利になるため、普通はマスターとサーヴァントだけのひみつ。
同時に物語の重要な鍵となる。

登場人物

※画像はTV版のものです。
衛宮士郎(えみや しろう)
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主人公。高校2年生。最強のサーヴァント・セイバーを偶然召喚したことから聖杯戦争に巻き込まれる。
10年前、街で起きた大火災の数少ない生存者。養父・切嗣(きりつぐ)に引き取られて育つ。
「正義の味方になりたい」「誰もが幸福で笑い合える世界になってほしい」と本気で考えている。

・セイバー
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伝説の聖剣エクスカリバーを持つあの英霊だけど女の子。深く考えてはいけない。
今作は遠坂凛ルートなので、あまりヒロインしていません。
最強と言われるだけあって戦闘能力は抜群で、バトルシーンは見もの。

遠坂凛(とおさか りん)
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メインヒロインの一人。士郎と同じく高2。由緒正しい魔術師の家系の女の子。両親は故人でひとり暮らし。
セイバーの召喚を試みるが、肝心なところで凡ミスをしてしまい、アーチャーを召喚。
好戦的でサバサバした性格だが士郎に対しては非道になれない一面があり、いろいろと彼の世話を焼く。

・アーチャー
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凛が召喚したサーヴァント。召喚時の事故の影響で、自分がどんな英霊なのかわからないらしい。
アーチャー(弓兵)のクラスだが短剣二刀流で戦うことが多い。弓を使ってもちゃんと強い。
皮肉めいた言動が多く自身について語ることは少ない。やたらと士郎につっかかる。

ギルガメッシュ
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突如あらわれた謎のサーヴァント。クラスも謎。非常に尊大な態度に見合う強さをもつ。
古代メソポタミア神話に登場する伝説的な王。『ギルガメシュ叙事詩』や多くの神話で有名な人物。
聖杯を利用して大災厄を起こし、余計な人間を「間引き」しようと画策する。

あらすじ

幼いころ魔術師を名乗る人物に引き取られた衛宮士郎は、それから10年養父の思いを継いで正義の味方になるため、魔術の鍛錬を続けていた。そんなある日、士郎はふとしたことで聖杯戦争という魔術師同士の戦いに巻き込まれ、望まぬままマスターに。が、10年前の大災害もその戦争が原因と知り、戦いに身を投じる覚悟を決める。
劇場版 Fate/stay night - UNLIMITED BLADE WORKS - 作品 - Yahoo!映画

主人公・衛宮士郎はちょっと魔術が使える高校生。「正義の味方」になるため、報酬を求めず日常的に人助けをするお人好し。
ある日の夜、学校でランサーとアーチャーが戦っているところを目撃する。ランサーは口封じのため士郎の心臓を貫く。
士郎は瀕死の重傷を負うが、遠坂凛の魔術による応急処置によって一命をとりとめる。
なんとか自宅に帰るもランサーの奇襲に遭い、土蔵に逃げ込むと最強のサーヴァント・セイバーが召喚され、ランサーは撤退。
凛から聖杯戦争の説明を受け「こんなふざけた殺し合いを止めてやる」と戦う覚悟を決める。
士郎と凛は同盟を結び、他のマスター、サーヴァントを倒していく。
しかし、アーチャーは士郎の理想を真っ向から否定し「理想を抱いて溺死しろ」と士郎を斬りつけるほど二人の仲は険悪。
もっと強い力を欲する士郎は、無意識にアーチャーの武器や太刀筋にあこがれて吸収していく。
強敵キャスターを倒した直後、アーチャーは自身の目的が士郎の殺害であることを明かし、凛を人質にとり決闘を申し込む。
アーチャーの正体は、英雄になった未来の衛宮士郎(以下、エミヤ)。
「正義の味方になる」「みんなを幸せにする」という理想を追求し続けた士郎のなれの果て。
死後の安らぎと引き換えに英霊となったエミヤは守護者としての側面をもつ。守護者は人間の抑止力としてはたらく存在。
エミヤは抑止力として「世界のバランスを崩す者」を殺し続けた。何度も何度も戦い、何万何千人もの命を奪い、その数千倍の人々を救った。
やがて悟る。幸福には定員がある。誰かを幸せにすれば誰かが絶望する。かつて自分が抱いた理想は全て間違いだった。
戦い続けて得たものは、後悔だけ。
英霊エミヤが消えるためには英霊になる前の自分(=衛宮士郎)を殺すしかない。聖杯戦争に乗じて自分殺しをしに来たのだ。
全てを聞かされた士郎は「俺は絶対に後悔しない。だからお前のことも認められない」と譲らず、二人は決闘に。
決闘中、士郎は「無数の剣が突き立てられた荒野」を見る。
それは英霊エミヤが戦いの果てにたどり着いた心象世界で、これこそが彼の宝具「無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)」である。
決闘を通して士郎は自分の信念を貫く決意を固め、エミヤはかつての自分を思い出し、士郎の勝利に終わる。
直後、ギルガメッシュが奇襲をしかける。とっさにエミヤは士郎をかばい「お前が倒せ」と言い残し消える。
ギルガメッシュは聖杯の中身がサーヴァントの魂を集めた魔力の集合体であること、聖杯がすでに汚染されていることを明かす。
ギルガメッシュの手により不完全で醜悪な聖杯が姿をあらわし、世界を侵食しはじめる。
凛とセイバーは聖杯の破壊に向かう。聖杯の核を抜きとり、ギリギリで破壊に成功する。
凛から魔力を受け継いだ士郎は固有結界「無限の剣製」を発動し、激戦の末にギルガメッシュを撃破。ギルガメッシュは制御を失った聖杯に巻き込まれ消滅。
実はエミヤは完全に消滅しておらず、最後の決戦を陰ながらフォローしていた。
エミヤは凛に「士郎を支えてやってほしい」と伝え、満足そうな笑みを浮かべて消えていった。

劇場版とTV版の比較

劇場版は時間の都合もあり、戦闘シーンに重点を置いたダイジェストという感じです。大まかなストーリーを知らなければ意味不明でしょう。
立体的なキャラクターデザイン、全体的に派手なカメラワークやエフェクトによりとても迫力のあるアニメ映画になっています。
TV版のようなキャラクターの掘り下げや細かい戦局の変化などはかなりカットされています。
どちらの戦闘シーンが良いのかは人それぞれかと思われます。

感想

レンタルした劇場版は返却しちゃったので、記事を書くにあたってTV版を見直しました。印象に残ったシーンがあります。凛が士郎の家の縁側で自分のことを話す場面。
この世界の魔術師は「楽しい魔法をつかう魔法使い」というイメージとはかけ離れた存在です。争いごとが起きれば潰し合う。
そのために勉強や鍛錬に励み、次世代へ研究成果を残す。そうして何代も続いていく。魔術師の家に生まれた子は魔術師にならなければならない。

凛「私ね、基本的に快楽主義者なの。父さんの跡を継ぐのは義務だけど、それだって楽しくなければやらないわ。衛宮君と協力してるのだって、あなたがおもしろいからだし。」

自分を客観視し、今を楽しんでいる凛はすごいですね。きちんと言語化できるほど悩んできたのでしょう。話題は士郎へうつります。魔術は楽しいよね?と聞くと黙りこんでしまう士郎。凛は問いつめます。

士郎「…そうだな。魔術の修行を楽しいと思ったことはなかった。魔術そのものも。けど、俺はまわりが幸せならそれでよかったんだ。だから、魔術を習っておけば、いつか誰かのためになれるかなって。俺は切嗣のような正義の味方になりたかった。そのために魔術を習ってきた。とまあ、俺の理由なんてそんなもんだけど…」

自分のためではなく人のために、楽しくもない魔術を習ってきたと語り、自分を卑下する士郎に驚く凛。指摘すると士郎は「誰かのためになれれば自分も嬉しいんだから自分のためだろ?」と会話がどこか噛み合わない。

凛「それは嬉しいんであって楽しくはないの!私が言ってるのは、衛宮君自身が楽しめるかどうかよ!まわりがどうこうじゃなくて、自分から楽しいって思えることはないのかって聞いてるの!」
士郎「…自分から楽しめることなんて言われても…俺には、そんな余分な願いをもつ資格がない、っていうか…」
凛「要するにあんた、人のことばっかりで自分に焦点があってないのよ!」

士郎を突き動かしているものは「10年前の大火災でたくさんの人が死んでいくなか、自分は生き残ってしまった」という強い罪悪感です。
養父・切嗣ににあこがれて「正義の味方になりたい」と思ったものの、いつの間にか「ならなくてはいけない」という強迫観念に変わっています。
誰かを守るために自己犠牲をいとわないせいで怪我が絶えません。自分の気持ちや理想について聞かれると戸惑い、大火災のフラッシュバックに悩まされます。
自分がどんな人間なのか、何が好きでどんなときに楽しいと感じるのか分からないのです。この問題を解決しないまま理想を追い求めた結果がアーチャー(英霊エミヤ)であり、あの荒れ果てた荒野に行き着くのでしょう。
この会話の翌日、士郎・凛・セイバーの3人でデートに行きます。笑いながら買い物をして、バッティングセンターで競い合って、凛お手製のサンドイッチを頬張る。
「きのうはにぎやかで楽しかった。何もなかったけど、ありがとう」とつぶやく士郎。凛に「楽しいなら素直に楽しいって言いなさい!」と叱られます。
感情を表すのが苦手な士郎ですが、凛がついていれば大丈夫なんだろうな、と感じさせるデートです。
笑顔で消えていったエミヤのためにも、幸せになってほしいですね。

最後に

2004年のPC版発売から10年以上人気を維持しているFateシリーズ。かわいいヒロインはもちろん、主人公などの男性キャラやサブキャラも魅力的な点が人気の秘訣なのだと思います。
キャスターの健気さ、ランサーの男気、ゲスだけどどこか憎めない慎二など、見返すたびに新たな発見があります。
いつかきちんと原作をプレイしたいです。積みゲー消化しなくちゃ。いつも言ってる気がするけど。